古くなった外壁をリフォームする方法には、主に「外壁塗装」「カバー工法」「張り替え」の3つがあります。
どのリフォームを行うべきか迷う方も多いと思いますが、大まかな目安としては築30年未満は外壁塗装、築30~40年はカバー工法、築40年以上は張り替えです。
しかし、外壁の劣化具合によって最適なリフォームは違うため、それぞれの特徴をしっかりと確認しておくことが大切です。
当記事ではカバー工法の特徴・メリット・デメリット・費用について解説していきますので、外壁リフォームを検討中の方はぜひ参考にしてください。
目次
外壁リフォームの「カバー工法」とは?
カバー工法とは古い外壁の上に新しい外壁を上張りする工法です。
「重ね張り」とも呼ばれ、主に経年劣化の激しい外壁のリフォーム手段として用いられています。
施工後の耐用年数が約30年と長く、費用も比較的安価なことが特徴です。
また、外観の見た目も変更できるため、デザイン変更を目的に施工する方も増えてきています。
「張り替え」との違い
外壁のリフォーム手段には、カバー工法の他に「張り替え」もあります。
張り替えとは、古い外壁を取り外して新しい外壁を張り替える工法です。
主に外壁の内部も損傷している場合などに用いられます。
古い外壁の撤去作業が必要なため、カバー工法よりも費用が高く施工期間も長くなりがちです。
一方で、損傷の激しい外壁を取り除くことによって、住宅の耐震性が向上しやすいといったメリットもあります。
「外壁塗装」との違い
外壁塗装とは、外壁に塗料を塗ることによって外観を変更したり住宅性能を高める工法です。
住宅の見た目が変わるだけでなく、外壁のヒビ割れを補修できたりサビやコケの発生を抑えることで耐久性を向上させたりといった効果もあります。
外壁自体を変更するわけではないため、「カバー工法」や「張り替え」と比べると耐久性向上の効果は低いですが、その分安価に施工することができます。
傷んだ外壁を補修するというよりは、外壁が傷まないように予防するといった意味合いが強く、10~15年に1度くらいの間隔で施工しておきたいリフォーム方法となっています。
カバー工法の3つのメリット
カバー工法には、張り替えや外壁塗装と比べて以下の3つのメリットがあります。
メリット②「張り替え」よりも費用が安い・工期が短い
メリット③「外壁塗装」よりも耐久性が向上する
メリット①断熱性・防音性が向上する
カバー工法では既存の外壁の上に新しい外壁を張り重ねるため、外壁と外壁の間に空気の層ができます。
この空気の層があるおかげで熱が伝わりづらくなるため、室温を一定に保ちやすくなります。
また、壁が二重になることにより、室外の騒音も遮断しやすくなります。
メリット②「張り替え」よりも費用が安い・工期が短い
カバー工法では既存の外壁を撤去する必要がないため、張り替えに比べると費用が安く工期も短いです。
耐用年数も約30年ほどあり、カバー工法だからといって施工後に特別なメンテナンスが発生することもないため、トータルのコストで見ても抑えることができます。
メリット③「外壁塗装」よりも耐久性が向上する
コスト面で見るとカバー工法よりも外壁塗装の方が安価ですが、外壁の劣化が激しい場合には塗装だけでは不十分なケースが多いです。
仮に塗装だけで済ませた場合、数年後にまた不具合が生じて「張り替え」か「カバー工法」をしなければいけない状況も考えられます。
今の外壁の状態にもよりますが、住宅の耐久性を考えた場合には「外壁塗装」よりも「カバー工法」の方が向上しやすいです。
カバー工法の3つのデメリット
カバー工法には主に以下の3つのデメリットがあります。
デメリット②使える外壁材が限られている
デメリット③耐震性が低下する可能性がある
デメリット①古い外壁材が放置される
カバー工法では古い外壁の上から新しい外壁を張るため、施工後に古い外壁材の不具合確認や補修などをすることが難しくなります。
もし内部で腐食や劣化が進んでしまうと、住宅の耐久性は下がってしまいます。
仮に内部の補修をする場合には、新しい外壁材を一度取り外さなければならないため、工事が大がかりになってしまいます。
カバー工法をする場合には、既存の外壁材に深刻なダメージがないことをしっかりと確認してから行うようにしましょう。
デメリット②使える外壁材が限られている
カバー工法では外壁の重量が重くなりすぎないように、主に軽量な金属サイディングが使われます。
重量が重いと耐震性が低下してしまうため、カバー工法に使用できる外壁材は限られています。
使用したい外壁材がある場合は、カバー工法に対応しているかを確認するようにしましょう。
デメリット③耐震性が低下する可能性がある
軽量な金属サイディングを採用したとしても、カバー工法を行うと少なからず外壁の重量は増加します。
重量が増加すると地震が発生した時に揺れやすくなる傾向があるため、耐震性に問題がないかをリフォーム業者とよく話し合うようにしましょう。
カバー工法にかかる費用相場
リフォーム内容 | 費用目安 |
外壁塗装 | 60~100万円 |
カバー工法 | 150~200万円 |
張り替え | 200~300万円 |
カバー工法の費用相場は、一般的な30坪程の住宅であれば150~200万円です。
もっと坪数が広い住宅や3階建ての住宅、狭小地に建っている住宅などは費用が高くなる傾向があります。
また、使用する外壁材によっても費用は変わります。
カバー工法では金属サイディングが使用されることが多いですが、金属の中にもガルバリウムやアルミなど種類が分かれており、単価が2倍近く違うものもあります。
使用できる外壁材の種類と値段をリフォーム業者によく確認するようにしましょう。
カバー工法をするかの判断基準
リフォーム内容 | 住宅の築年数 |
外壁塗装 | 0~30年 |
カバー工法 | 30~40年 |
張り替え | 40年~ |
外壁リフォームを検討する際に、「外壁塗装」と「カバー工法」と「張り替え」のどれにするか迷う方も多いと思います。
一般的に外壁の耐用年数はおよそ30~40年といわれているため、住宅の築年数が判断基準の1つになります。
築年数が30年未満の場合は、老朽化がそれほど進んでいない可能性が高いため外壁塗装。
築年数が30~40年の場合は、ある程度老朽化が進んでいる、もしくは、今後耐久性が低下していくことが予想されるためカバー工法。
築年数が40年以上の場合は、耐用年数を超えているため張り替え。
上記のように判断することもできます。
ただし、外壁の耐用年数はしっかりとメンテナンスをしている前提で算出されているため、場合によっては20年ほどで性能が低下してしまうことも考えられます。
現在の住宅の状況によって最適なリフォーム内容は変わってきますので、リフォーム業者とよく話しあって決めるようにしましょう。
まとめ
外壁リフォームのカバー工法とは、現在の外壁の上から新しい外壁材を張り付ける工法であり、張り替えに比べて比較的安価に行うことができます。
断熱性や防音性の向上を図ることもでき、リフォーム目的だけでなくデザインの変更目的で施工する場合も多いです。
しかし、住宅の重量が重くなることで耐震性が低下したり、古い外壁材の補修が難しくなったりといった懸念点もあります。
どのような外壁リフォームが適切なのかは住宅によって違うため、リフォーム業者とよく相談をしてあなたの住宅に合わせた施工をすることが大切です。
弊社「まごころ工務店」では、住宅の状況に合わせた最適な外壁リフォームを行っていますので、ご検討中の方はぜひ一度ご相談ください。