間取り図

注文住宅の間取りを考えるうえで最も重要なことは「自分に合った間取りにする」ということです。
人気や流行りの間取りを参考にするのもよいですが、自分の生活スタイルにマッチしているのか、という点は考えておかなければいけません。
しかし、初めての住宅購入で理想の間取りを考えるというのはなかなか難しいものです。
そこで当記事では「人気の間取りアイデア8選」と「間取りを決めるときの5つのポイント」について紹介します。
まずはどのような間取りがあるのかを知り、そのうえで自分なりの理想の間取りを考えてみましょう。

注文住宅で人気の間取りアイデア8選

一口に間取りといっても、部分ごとに見ると様々な工夫がされています。
例えば、使いやすい位置に収納スペースを設けることで効率的に生活することができたり、家族との程よい距離感を保ちつつもプライバシーを守れる設計になっていたりなど。
そんな様々な工夫の中で、特に人気の高い間取りアイデアを8つ紹介します。
もし自分の生活スタイルにマッチするものがあれば、ご自身の住宅でも採用してみてください。

1.独立洗面所

独立洗面所

独立洗面所とは、浴室につながる脱衣所とは別に設けられた洗面所です。
従来の住宅では脱衣所と洗面所が一体になっているのが一般的でしたが、現在では洗面所・脱衣所・浴室と3つのエリアに分ける形も人気となっています。
独立洗面所を設けることで、誰かが浴室を使っているときでも気にすることなく洗面所を使うことができます。
家族間で気を使うことなくそれぞれが好きなタイミングで浴室や洗面所を使えるため、意外に便利な間取りとなっています。

2.パントリー

パントリー

パントリーとは、キッチンの一部分やキッチンに隣接して設けられる収納スペースです。
主に食材や食器、調理器具などを収納するために使われます。
パントリーを設けるメリットは大きく分けて2つ。
多くの食材をストックできることと、食材や食器などの出し入れが楽になることです。
飲料水やレトルト食品、カップ麺、缶詰、調味料、災害用の非常食まで様々な食材を多く保管しておくことができます。
保管できる量が増えれば買い物に行く頻度も減らせますし、セールなどの安い時に買いだめすることで経済的な負担を軽減することもできます。
また、食器や調理器具の出し入れが楽になるのもパントリーの魅力です。
通常であれば使用頻度の低い物は棚の奥にしまうことが多いですが、その場合はいざ取り出すときに大変だったり、そもそもどこにしまったのかがわからなくなったりすることもあります。
パントリーがあれば必要な物がすぐに見つかりますし、片づけるのも簡単ですので、食器や調理器具をたくさん扱う方には特におすすめの設備です。

3.ウォークインクローゼット

ウォークインクローゼット

ウォークインクローゼットとは、中に人が入って歩ける程度の広い収納スペースです。
衣類やバッグ、帽子、靴など様々な物を収納するために使われます。
パントリーと同じく、多くの物を収納できることと、衣類などの出し入れが楽であることが主なメリットです。
広さによってはキャンプ用品やゴルフバッグなどの大型用品をしまうこともできますし、着替える場所としても利用することができます。
一方、デメリットとしては広いスペースが必要という点です。
ウォークインクローゼットを作ることによって、居室やリビングのスペースが圧迫されてしまう場合もあります。
また、収納効率もあまり良いとはいえません。
普通のクローゼットであれば収納スペースの大部分に物をしまうことができますが、ウォークインクローゼットは人が通る場所を確保するため、スペース全体に対する収納量の割合は低くなってしまいます。
住宅全体の延床面積や必要な収納量などを考慮しながら検討してみてください。

4.ウォークインシューズクローゼット

シューズクローク

ウォークインシューズクローゼットとは、玄関に隣接して設けられる広めのスペースです。
靴を履いたまま入れることが特徴で、シューズクロークとも呼ばれます。
靴を収納するだけでなく、自転車やベビーカー、スノーボード、サッカーボール、野球のバットなど主に外で使うものをしまう場所としても便利です。
玄関は家族で暮らしていると靴が散らばってしまい乱雑になりやすいですが、ウォークインシューズクローゼットがあれば、いつでもスッキリとした綺麗な玄関を保ちやすくなります。
来客時に慌てて片づけることもなくなりますし、急いでいるときもスムーズに出かけることができます。
ただし、居室やリビングなどの他のスペースを圧迫してしまうことには注意しましょう。
ウォークインシューズクローゼットを設けるためにはそれなりのスペースが必要ですので、もし採用する場合には住宅全体の他のスペースは十分に確保できているかをチェックしてみてください。

5.小屋裏収納・ロフト

小屋裏

小屋裏収納とは、屋根と天井の間の空間を利用した収納スペースです。
似たような設備としてロフトがありますが、それぞれの違いは下の階から見えるかどうかという点にあります。
小屋裏収納は普段は天井に隠れて見えないように配置されているのに対し、ロフトは入口が開いているため下の階からも見えるようになっています。
小屋裏収納やロフトの主なメリットは、多くの収納スペースを確保しながらも他の居室を圧迫しないことです。
普段は使わない天井裏の空間を利用するため、寝室やリビング、浴室などのスペースを広く確保することができます。
クローゼットや押入れなどの収納スペースを用意する場合、その分どうしても居室が狭くなってしまうため、できるだけ居室を広くしたい方には特におすすめです。
形や広さによっては収納スペースだけでなく、書斎や遊び場として活用することも可能です。

6.階段下収納

階段下収納

階段下収納とは、その名の通り階段の下に設けられた収納スペースです。
天井が斜めになっていたり、スペース自体もそれほど広くはなかったりすることから使いづらさはありますが、デッドスペースを有効活用できるため人気の高い設備となっています。
階段下収納にしまう物としては、ティッシュやトイレットペーパーなど日用品のストック、扇風機やストーブなどの電化製品、掃除機やクイックルワイパーなどの掃除用品、災害時の防災用品や非常食などがあります。
他にも、突っ張り棒とハンガーを用意して衣類をしまうためのクローゼットのような使い方もできますし、リビングに隣接しているのであればインテリアなどを飾っておしゃれな空間を演出することもできます。

7.書斎

書斎

書斎とは、読書や執筆、パソコン作業などをする部屋です。
近年では在宅ワークをする人が増えていますが、家族の生活音が大きくリビングではなかなか仕事に集中できないといった声があります。
しかし、書斎があればある程度の雑音を遮断できるため、以前よりも需要が高まっています。
また、仕事以外にも趣味の部屋として使う人も多いです。
釣り用品やゴルフ用品を置いたり、集めたフィギュアを飾ったり、ゲームをする部屋として使ったりすることもできます。
家族とのコミュニケーションも大切ですが、1人の時間やプライバシーも大事にしたい人は、ぜひ書斎の採用を検討してみてください。

8.ランドリールーム

ランドリールーム

ランドリールームとは、洗濯するために設けられた洗濯専用の部屋です。
洗濯機や乾燥機、洗面台、アイロン台、物干し竿などあらゆる設備を1箇所にまとめることで、洗濯の効率を高めることができます。
ランドリールームは浴室やキッチンの近くに配置するのが一般的です。
浴室の近くであれば脱いだ衣類をすぐにランドリールームに持っていけますし、キッチンの近くであれば料理から洗濯までの作業動線が短くなり、家事の効率アップが図れます。
他にも、洗濯物を室内に干せるため天候に左右されなかったり、室内乾燥機があるため時間帯を気にせずに洗濯ができたりするメリットもあります。
仕事の関係上どうしても不規則な生活サイクルになってしまう人や、忙しくなかなか家事に時間をかけられない人には特におすすめな設備となっています。

注文住宅の間取りを決めるときの5つのポイント

間取りの事例などを見るとどれも魅力的で、何を採用するか迷ってしまいますよね。
あれもこれもと考えていると建築費が高くなってしまうので、結局また悩んでしまう人も多いでしょう。
そのような場合は以下の5つのポイントをチェックしてみてください。

ポイント1.過不足のない収納スペースの量を考える
ポイント2.家族との距離感を考える
ポイント3.生活動線を考慮した配置にする
ポイント4.実際の広さ・長さ・高さを事前に確認しておく
ポイント5.こだわる部分とこだわらない部分を決める

これらを意識するだけでも間取りで失敗するリスクは大きく下がりますので、間取りのイメージがある程度考えられている人も改めて確認してみましょう。
それぞれについて詳しく解説します。

ポイント1.過不足のない収納スペースの量を考える

収納

1つ目のポイントは、過不足のない収納スペースの量を考えることです。
収納スペースが少ないと、必要なものを保管することができなかったり、狭いスペースに詰め込みすぎたことによって取り出すのが困難になったりと、なにかと不便が多くなります。
しかし、反対に収納スペースが多すぎるのも問題です。
収納スペースを多く確保するということは、それだけ費用を多くかけるということになります。
不必要な収納スペースを作るために他の部分でコストカットを図ってしまうと、「こっちにもっと予算を割けばよかったな…」と後悔してしまうかもしれません。
現在必要な収納量と、将来的に必要になるであろう収納量を考え、少しだけ余裕をもった収納スペースを確保することが大切になります。

ポイント2.家族との距離感を考える

距離感

2つ目のポイントは、家族との距離感を考えることです。
家族とのコミュニケーションを重視したい場合、吹き抜けのリビングや対面式のオープンキッチンなどが向いています。
他にも、階段をリビングに隣接したり、書斎などの個室ではなくリビングに隣接したワークスペースを設けたりすると、家族が自然とリビングに集まりコミュニケーションを取りやすくなります。
一方で、1人の時間やプライバシーを重視したい場合、それぞれの個室を設けたり、階段は玄関から直接向かえるような構造がよいでしょう。
特に外出時間や帰宅時間がバラバラだと、お互いの生活音が気になりストレスを感じてしまうこともあります。
家族がどのような生活サイクルで活動しているのか、また、どのくらいコミュニケーションを重視しているのかを考え、程よい距離感で暮らせる間取りを意識してみましょう。

ポイント3.生活動線を考慮した配置にする

動線

3つ目のポイントは、生活動線を考慮した配置にすることです。
例えば、脱衣所と洗濯物を干すバルコニーを隣接しておけば、洗濯した衣類をすぐに干すことができるため洗濯の時短につながります。
さらに、家族共用の広めのクローゼットを近くに配置すれば、洗濯物を取り込んでから畳んで収納するところまで効率的におこなえます。
このように、一連の作業で必要になるスペースや設備をできるだけ近くに配置する、というのが間取りを考えるうえでとても重要です。
他にも、買い物から帰って来たとき、ゴミ出しに行くとき、掃除をするとき、来客があったときなど、様々なシチュエーションを想定して効率の良い間取りを考えてみましょう。

ポイント4.実際の広さ・長さ・高さを事前に確認しておく

確認

4つ目のポイントは、実際の広さ・長さ・高さを事前に確認しておくことです。
すでに建築が終わっている建売住宅とは違い、注文住宅では完成するまで実物を見ることができません。
そのため、完成したときに「思っていたより狭いな…」と残念に感じてしまうこともあります。
そうならないためには、実際のサイズをできるだけ正確に確認しておくことが大事です。
図面や写真だけで判断せず、モデルハウスで天井の高さや通路の幅などをしっかり確認して、自宅の完成イメージと照らし合わせてみましょう。

ポイント5.こだわる部分とこだわらない部分を決める

こだわり

5つ目のポイントは、こだわる部分とこだわらない部分を決めることです。
住宅展示場に行ったりハウスメーカーの人と話したりして、色んな設備を知るとどれも自宅に取り入れたくなると思います。
建物内に車を駐車できるビルトインガレージやゆったりくつろげる広めのテラス、縁側つきの趣のある和室など。
もちろんどれもメリットがあり、人によってはかかせない設備です。
しかし、あれもこれもと採用していると費用はどんどん高くなってしまいます。
限られた予算の中で可能な限りベストな住宅を建てるためには、どこにこだわってどこを妥協するのか、という点がとても大切です。
こだわりは人によって違いますので、何が正解ということはありません。
これから先、十年、二十年と長く住むにあたって、どのような生活を送りたいのかを想像して、あなたにとって理想の家を考えてみてください。

まとめ

注文住宅の間取りは自分の生活スタイルにマッチしているかが最も重要です。
流行りの間取りや人気の設備を知ることも大切ですが、それはあくまでも参考程度としておきましょう。
人それぞれ好みもありますし、住宅購入にかけられる予算も違います。
将来のことも見据えてどのような住宅がベストなのか吟味してみてください。
もし注文住宅のことでご相談したいことがあれば、弊社『まごころ工務店』に一度ご連絡ください。
お客様のご要望を第一に考え、可能な限り最適なご提案をさせていただきます。
満足のいく住宅を建てられるように、一緒に考えていきましょう!